モネです、今日もXMT_from_TYO !! です。関東も梅雨明けし、これで関東もSummer!!
さて、本日のブログは、公開時に映画館で観て以来なかなか観返すことができなかったフィンランド映画「真夜中の虹」についてです。以前から観たかったけど、なにせ手に入らない。ツタヤさんで在庫していることを知りレンタルしました。
フィンランド映画「真夜中の虹」とは
アキ・カウリスマキ(Aki Kaurismäki)監督による作品。運のない主人公カスリネンが南を目指し犯罪に巻き込まれながらも将来を見つける物語。
犯罪映画ってわけでもないし危険な女が登場するわけでもないが、ちょっと退廃的な感じがフィルムノワールっぽさを感じさせる。
主に社会の底辺に属する労働者や失業者などを主人公にとり、徹底的に踏みにじられる人間性とその回復を描く。登場人物の突然の死や犯罪、旅、音楽など映画の黄金時代の文法を踏襲しながらも、大仰な仕草やドラマチックな科白回しを一切排した演出と天性のユーモアによって、現代では希有になってしまった心ある人間賛歌を成立させている。
引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 アキ・カウリスマキ
〜以上ウィキペディア引用による「監督の作風」でした〜
ちなみに小津 安二郎監督を敬愛しているとのことです。
あらすじ キャデラックでヘルシンキへ向かうカスリネン
舞台はフィンランド北部の炭鉱。大した産業もなく仕事に行き詰まり冒頭から父親が自殺。そこで炭鉱夫である主人公のカスリネンは父の残したキャデラックのコンバーチブルに乗り仕事を求めヘルシンキのある南へ向かう。道程の途中、立ち寄ったハンバーガースタンドの駐車増で二人組に全財産を奪われしまう。
中盤の展開 ヘルシンキでイルメリと出会う
有り金を失ったカスリネンは仕方なく港湾の闇業者に雇われ、教会の簡易宿泊施設で寝泊まりする。そんな中、仕事を探している際に、路上駐車の取り締まりをしていたイルメリと出会う。
イルメリと彼女の息子との暮らしが始まるかに思われたのだが、それも束の間。カスリネンはハンバーガースタンドで有り金を奪った犯人の一人を発見してしまう。すぐに刃物を持った強盗犯人を取り押さえるものの監視カメラが仇となり逆にカスリネンが犯罪者として連行されてしまった。
投獄されたカスリネンは刑務所で同室になった無実?の罪で実刑中のミッコネンと出逢う。その後、カスリネンの誕生日にイルメリよりケーキと絵本が差し入れられたが、実はこの中に金鋸が仕込まれていた。二人は共謀し脱獄を図るのだが。。
フィンランドって高福祉国家?! なのだろうか。。
とにかくカスリネンは運がないというか最低な人生を歩んでいる。這いつくばって泥水飲みながらなんとか生きてるって感じ。なんか俺もそんな時期があったんだけどね。
まぁ、そんなことはいんだけど、でもさぁ、ここでふと思うことは北欧フィンランドってこんな国だっけ?!ってこと。
つまり日本人が知っているフィンランドは国連の報告で幸福度世界1にもなった国。子育てや医療への手厚い保証や無償教育が評価され世界一幸せな国と評価されている。と少なくとも俺はそう思っていた。というか長年そのように刷り込まれていたようだ。
オレ様“ズラタン”が誕生したのは地域からさげすまされていたから!?
前述の通り、この映画を観るのは公開以来2回目なんだけど観返して頭に浮かんだのは、復帰したばかりで今季限りACミラン退団が噂されるズラタン・イブラヒモビッチ。スウェーデンの英雄も移民とはいえ幼少期は見下され、ひどい生活をしていたことを思い出した。
イブラヒモビッチの父親はアル中、姉はスリクでラリって、自身はサッカークラブから追い出されそうになる。そんな生活をしているから自転車を盗むのは得意だと自伝「I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝」で豪語しているくらい。だから子供の無邪気さなんて感じさせない。やるかやられるかの生活。理不尽さなんて考えていられない。
スウェーデンの社会的弱者を救う政策はどうなった?!
スウェーデンは「平時非同盟、戦時中立」を長く国是とし、過去200年以上、戦争はしていない。
そして産休、育休制度が充実し、保証制度がしっかりしていて理想的な国家のように思えるが、イブラヒモビッチの本を読むと理想国家が一体何してるんだと笑ってしまう。
これは単なる移民問題ではないと思う。嫌な言い方だけど高福祉国家の光と影って思ってしまう。ちなみに“光と影”を英語で言うと“complete opposites”って言うそうで比喩ではないってことみたいです。
まぁ、だからこそズラタン勝者のメンタリティーが生まれたのだろう。
日本ではフィンランドもスウェーデンも未だに“幸せな国”として憧れる人もいるようだけど、実態はだいぶ違うんじゃないか?! 単なる幻想なんだってね。。。
国外逃亡の結末、虹はつかめるか? クライマックスへ
とまぁ、関係ない話を長々してしまったが、ここからはネタバレ。その後二人は脱獄成功、カスリネンは売り払ったキャデラックを取り返し密航の準備を進め、その手引きをしていた二人組にパスポートを用意させる。
二人は見返りとして用意された車と拳銃で銀行強盗するよう強要。その後、支払いのため手引きしていた二人組の元を訪れたミッコネンは、その場で撃たれ死亡。戻りが遅いことを危惧したカスリネンは二人組にミッコネンが殺されたことを知り、その場で二人を射殺する。
カスリネンとイルメリは、ミッコネンを埋葬し、新天地を求めメキシコ行きのアリエル号という貨物船に向け小型ボートに乗り込む。ラストシーンは汽笛とともに「Over the rainbow」が流れエンドクレジットが流れる。
「真夜中の虹」結び&感想
とにかく、よくもまぁというくらい、行く先々で仕事やら金や運まで巻き上げられてしまうカスリネン。
でも不思議と酷い状況にもかかわらず、カスリネンからは悲壮感は感じられず、淡々と生活している。っていうか何が起きても受け入れてしまっている感じだね。あるいみ肝が座っているのかも。。。
そういう意味ではイルメリも同様でカスリネン以上に何があっても動揺しない。
カスリネンの脱獄などあうんの呼吸というか、誕生日に金鋸を差し入れるするイルメリ。躊躇することなく脱獄を敢行するカスリネン。二人はまさにボニー・アンド・クライドそのまんま。
カスリネンにとってのターニングポイントはイルメリと出会い、生きる目標ができたこと。欲もなく無愛想なカスリネンが考える幸せが、果たして海の向こうにあるのだろう。何があるにせよ、人間その気になればなんとかなると実感させられた。
あまり馴染みのないフィンランド映画だけど、無口で不器用な男の話って結構日本人は好きなタイプの映画だと思う。短い映画なので会社帰りとかでも十分楽しめます。渋谷のツタヤさんに行ける人は観てみてください。
モネの“「真夜中の虹」映画レビュー 無口で無愛想な男が虹を掴めるか?!” fm_TYO_w/_luv !! でした。
「真夜中の虹」作品概要
監 督:アキ・カウリスマキ
脚 本:アキ・カウリスマキ
脚 本:トム・フォード
出演者:トゥロ・パヤラ
スサンナ・ハービスト
マッティ・ペロンパー